研究課題
本研究は、緑内障濾過手術後の創傷治癒過程におけるMCP-1とその受容体であるCCR2の分子レベルでの役割を明らかにし、線維化抑制につながる新しい理解を見出すことを目的としている。昨年度は、緑内障濾過手術のリスクファクターであるMCP-1が炎症細胞の浸潤や活性化に直接関与していることの証明として、2光子顕微鏡による生体眼イメージングでMCP-1存在下において結膜下組織中の炎症細胞が活発化することを確認した。本年度は、このデータを裏付けるためのMCP-1負荷下で遊走活性をもつ細胞の系譜解析として、シングルセルRNAシーケンス解析に取り組んだ。現在、解析中である。これは研究実施計画の①マウス眼球におけるMCP-1の細胞遊走への影響の検証においての、創部に遊走してきた細胞集団の同定に当たる。その結果を踏まえて、次年度は、②組織の線維化進展におけるMCP-1/CCR2と線維芽細胞の関わりについての検証、③炎症性細胞の創部への浸潤と線維芽細胞の関連についての検証を進めていく。
3: やや遅れている
シングルセルRNAシーケンス解析に用いる細胞のシングルセル化に難渋した。マウス結膜は他の組織と比較して1匹から採取される組織量が少なく、デブリ も混入しやすいため、解析に適したサンプル採取にテクニックを要する。予定よりも多くの実験回数が必要となったため進捗が遅れたが、年度後半に解析可能なサンプル取得することができた。現在解析中である。
2ヶ月程度でシングルセルRNAシークエンス解析が終了する予定である。並行して、研究実施計画の②③に掲げた、線維芽細胞を用いたMCP-1/CCR2と線維芽細胞の関わりを検証する実験と炎症細胞の浸潤と線維芽細胞の関わりの検証を進め、これらの結果を原著論文にまとめる予定である。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
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