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2023 年度 実績報告書

緑内障術後創傷治癒過程におけるMCP-1/CCR2の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K16899
研究機関熊本大学

研究代表者

小島 祥  熊本大学, 病院, 講師 (80632661)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード緑内障 / 創傷治癒 / 生体眼イメージング
研究実績の概要

本研究は、緑内障濾過手術後の創傷治癒過程におけるMCP-1とその受容体であるCCR2の分子レベルでの役割を明らかにし、線維化抑制につながる新しい理解を見出すことを目的とした。前年度までに、緑内障濾過手術のリスクファクターであるMCP-1が炎症細胞の浸潤や活性化に直接関与していることの証明として、2光子顕微鏡による生体眼イメージングでMCP-1存在下において結膜下組織中の炎症細胞(LysM陽性細胞)が活発化することを確認した。さらに、その細胞の活性化がROCK阻害薬であるリパスジルで抑制されることを確認した。本年度はこのデータを裏付けるためのMCP-1負荷下で遊走活性をもつ細胞の系譜解析として、シングルセルRNAシーケンス解析を行った。その結果、contorol、MCP-1負荷、手術モデルにおいて、controlとMCP-1負荷では存在する細胞集団に差異がないこと、手術モデルでは独自のクラスターが存在し、マクロファージや線維芽細胞が優位であることが明らかとなった。さらに生体眼イメージングで使用したマウスでGFPラベルしてあるLysM陽性細胞はマクロファージ優位であることも示唆された。線維芽細胞を用いた細胞生物学的検証では緑内障濾過手術の効果が得づらい血管新生緑内障の房水内で著明に上昇しているVEGFで刺激した線維芽細胞の上清でMCP-1が濃度依存的に上昇していることを確認した。以上の結果より、結膜創部においてマクロファージが関与している可能性、またMCP-1がマクロファージの活性化に関与し、それがリパスジルで抑制される可能性が示唆された。この知見をもとに線維化進展のメカニズムの解明を進めることで、緑内障術後に生じる線維化抑制の新しい理解につながる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Factors associated with visual field or structure progression occurring first in a prospective study on patients with untreated open-angle glaucoma with normal intraocular pressure2023

    • 著者名/発表者名
      Sakata Rei、Araie Makoto、Yoshitomi Takeshi、、、Tanihara Hidenobu、Inatani Masaru、Inoue Toshihiro、Takihara Yuji、Ohhira Saori、Kojima Sachi、et al、for lower normal pressure glaucoma study members in Japan Glaucoma Society
    • 雑誌名

      Eye

      巻: 38 ページ: 737~744

    • DOI

      10.1038/s41433-023-02766-8

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Trabeculotomy Using the Kahook Dual Blade for Exfoliation Glaucoma and Primary Open Angle Glaucoma: Comparison of Outcomes According to Incision Range2023

    • 著者名/発表者名
      Irie Anna、Nakashima Kei-Ichi、Inoue Toshihiro、Kojima Sachi、Takihara Yuji、Takahashi Eri
    • 雑誌名

      Journal of Glaucoma

      巻: 33 ページ: 270~276

    • DOI

      10.1097/IJG.0000000000002323

    • 査読あり
  • [学会発表] 濾過手術アップデート2024

    • 著者名/発表者名
      小島祥
    • 学会等名
      第128回日本眼科学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] Treatment outcomes of Baerveldt glaucoma implantation in patients with neovascular glaucoma with versus without a history of trabeculectomy2023

    • 著者名/発表者名
      Sachi Kojima, Kenichi Nakamura, Yuji Takihara, Toshihiro Inoue
    • 学会等名
      10th World Glaucoma Congress
    • 国際学会
  • [学会発表] 毛様溝挿入した緑内障インプラントのチューブ内に硝子体嵌頓をきたした落屑緑内障2023

    • 著者名/発表者名
      諸岡研人、小島祥、井上俊洋
    • 学会等名
      第39回九州緑内障カンファレンス
  • [学会発表] 隅角検査を極める2023

    • 著者名/発表者名
      小島祥
    • 学会等名
      第34回緑内障学会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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