制御性T細胞(Treg)は免疫寛容の確立・維持に重要な役割を担っている。AS2863619(以下AS)はcyclin-dependent kinase 8/19(CDK8/19)の阻害作用を有し、抗原特異的Tregの誘導を促進する。本研究では実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎(EAU)を用いてAS2863619による生体内でのFoxp3+Tregを介したEAUに対する炎症抑制効果を検討した。その結果、AS投与群でFoxp3+Tregの増加はみられなかったものの、基剤群に比較してAS投与群でEAUの重症度の有意な低下がみられた。CDK8/19はぶどう膜炎の新たな治療標的となる可能性が示唆された。
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