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2021 年度 実施状況報告書

網膜内脂質代謝の制御による加齢黄斑変性の病態解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K16906
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

伴 紀充  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (50464897)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード加齢黄斑変性 / 脂質代謝 / 脈絡膜新生血管
研究実績の概要

今回の研究の第一の目的は、ABCA1 (ATP-binding cassette protein A1)を介した加齢黄斑変性の病態の分子機序を明らかにすることである。今回申請者らは、ABCA1遺伝子のプロモーター部分+ルシフェラーゼのプラスミドを作成し、レンチウイルスを用いてヒト網膜色素上皮培養細胞(ARPE19)に導入することに成功した。また、この細胞を用いて既存のABCA1活性化剤でアッセイ系を確認した。さらに、作成した細胞を用いて慶應義塾大学医学部が保有する約1500種類の既存薬ライブラリーを用いてルシフェラーゼアッセイを行いABCA1 activatorのスクリーニングを施行した。現在いくつかの候補薬剤があり、in vitroで活性効果を確認している。今後in vivoでの確認も行っていく予定である。
今回の研究の第二の目的は、380nmの波長(紫)光によって活性化される非視覚受容体であるOpsin5 (OPN5) の網膜内での機能を明らかにすることである。今回申請者らは、病的血管新生モデル(レーザーCNVモデル)を作成し、380nm(紫)光の光照射群とコントロール群で血管新生体積の比較を行った。これまで、光照射時間とその時間帯によりその効果が異なることが報告されており(Jiang X, Pardue MT, Mori K, Ikeda SI, Torii H, D'Souza S, Lang RA, KuriharaT, Tsubota K. Violet light suppresses lens-induced myopia via neuropsin (OPN5)in mice. Proc Natl Acad Sci U S A. 2021 Jun 1;118(22):e2018840118.)、現在詳細な条件検討を行っている。今後レーザーCNVモデルで表現型が得られた場合は、その分子メカニズムを解明する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ABCA1 (ATP-binding cassette protein A1)を介した加齢黄斑変性の病態の分子機序の解明に関しては、候補薬剤のスクリーニングが終了し現在in vitroでの検証を行っており、今後in vivoでの検証を行う予定で概ね順調である。
380nmの波長(紫)光によって活性化される非視覚受容体であるOpsin5 (OPN5) の網膜内での機能解析に関しては、動物実験の条件検討を行っており、今後表現型の探索を行う予定である。

今後の研究の推進方策

ABCA1 (ATP-binding cassette protein A1)を介した加齢黄斑変性の病態の分子機序の解明に関しては、今後候補薬剤の眼局所投与(硝子体注射投与および点眼投与)での網膜透過性を質量分析法にて確認する。既存のLXR (Liver X receptor) agonistに関しても同様の検討を行う予定である。また、病的血管新生モデル(レーザーCNVモデル)を用いて候補薬剤の効果を検証するとともに、網膜内での遺伝子変化を解析しABCA1活性化により血管新生が抑制される機序を解析する予定である。
380nmの波長(紫)光によって活性化される非視覚受容体であるOpsin5 (OPN5) の網膜内での機能解析に関しては、病的血管新生モデル(レーザーCNVモデル)での380nm(紫)光の光照射群とコントロール群で血管新生体積の比較を行い表現型の確認を行う。表現型に差がある場合は、分子メカニズムの解明を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 網膜内脂質代謝と加齢黄斑変性2021

    • 著者名/発表者名
      伴 紀充
    • 学会等名
      第41回日本眼薬理学会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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