歯周病は歯周病原菌による歯周組織の炎症性疾患であり、歯肉の付着上皮がその防御機構に関与している。本研究は、付着上皮の細胞間接着装置維持のメカニズムに焦点を当て、セマフォリン(Sema)が与える影響を調査した。まず、マウス付着上皮細胞株mHAT-JE01を樹立し、マウス樹状細胞との共培養でオクルディンとSema4Aの遺伝子発現が上昇することを確認した。さらに、接合上皮シートを作成し経上皮電気抵抗(TEER)を測定、Rhoキナーゼ阻害実験でTEER値が低下することを発見した。この結果から、接合上皮がSema4Aをオートクライン作用させ、上皮バリアを維持している可能性が示唆された。
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