本研究課題を通じて、唾液腺の初期発生におけるFoxc1の標的遺伝子を推定することが出来た。唾液腺発生に重要な役割を果たす転写因子とされるFoxc1の標的遺伝子が明らかになることによって、唾液腺の初期発生シグナル経路の解明に繋がることが期待される。唾液腺発生メカニズムの解明により、ダイレクトリプログラミングや生体内遺伝子導入など唾液腺再生医療技術開発の基盤的知見を提供することができるものと思われる。また転写因子の相互作用により、胎生期口腔粘膜から唾液腺原基への運命決定が制御されていることを証明できれば、胎生期口腔粘膜を由来とする下垂体や歯の発生研究分野にも重要な知見となり得る。
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