オルガノイドとは特定臓器を模倣した三次元的な構造体である。当研究室ではごく最近ヒトiPS細胞から唾液腺オルガノイドの誘導に成功している。そこで、本研究では唾液腺導管癌の腫瘍関連遺伝子変異を導入した遺伝子改変唾液腺オルガノイドを作出することにより、in vitroにおける導入遺伝子を介した発癌過程の再現を試みた。得られたヒト唾液腺オルガノイドは形態学的にもタンパク発現レベルにおいても変化しており、実際の腫瘍との類似性が示唆された。このことから、当該遺伝子変異がヒトの唾液腺腫瘍発生に関与している可能性が示唆された。
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