本課題では、歯周病原細菌P. gingivalisの感染、う蝕原因菌S. mutans歯髄感染に着目し、腸内細菌叢の破綻から糖尿病増悪への影響と血行性感染から脳出血への影響について動物実験モデルを用いたメカニズム解明を行った。P. gingivalis感染糖尿病マウスでは、糖尿病マウスと比較して、パイエル板の肥厚と、腸内細菌叢の変化が認められた。また、S. mutans感染ラットモデルでは、細胞外基質typeI、typeIVコラーゲンを介した血管内皮細胞へ細菌が強固に付着することで脳出血部位の拡大が認められた。これらのメカニズム解明が、口腔内治療の重要性や新規治療法開発につながると期待される。
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