歯周病は40歳以上の約8割が罹患している疾患である。MSの推定患者数は全世界で約250万人におよぶ難病であり、本邦でのMS患者数は近年増加している。また、根治療法は存在しない。歯周炎とMSの関係を分子レベルで解明することは、歯科医療が口腔のみならず全身の健康に寄与していることを示す上で重要である。本研究で歯周炎がMSの症状増悪に関与する可能性が示唆されたが、分子メカニズムの解明には至らなかった。2つの疾患を結びつける因子が解明されれば、両疾患における新しい治療方法や創薬開発につながる可能性も見込まれるため、今後の研究が望まれる。
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