現在のインプラント治療に用いられるインプラント体は、骨への直接的な結合であるオッセオインテグレーションにて支持を得ている。しかし、歯根膜を持たないインプラント体は、歯根膜由来のバリア機構や固有感覚が存在しないため、細菌感染を生じやすく、過度な咬合圧が生じやすい。それらは、インプラント周囲炎の原因となり、インプラント周囲炎が生じると周囲の骨が炎症により吸収され、インプラント体だけでなく周囲骨の喪失につながる。歯根膜を有するインプラントであるバイオハイブリッドインプラントの開発は、これまでのインプラント治療の欠点を補うことのできる新しいインプラント治療法の開発のために必要であると考えられる。
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