研究課題/領域番号 |
21K16974
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
吉田 航 東京歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (30875703)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周組織再生療法 / ヒト胎盤由来羊膜・絨毛膜 / 成長因子 |
研究実績の概要 |
2022年度の研究実績 In vivoでは,10週齢のWistarラットの上顎第一臼歯近心に規格化欠損を形成後ルートプレーニングし,歯周組織欠損を作製した。HACM+HPC応用群,HPC単独群,Unfilled群に分け,術後4週で形態学的 (マイクロCT),組織学的(H-E染色)にて検討した。2021年度では術後2週での評価を行い,マイクロCT画像による歯槽骨形成量の解析では,HACM+HPC群で新生骨様構造を認めた。さらに,骨梁構造解析でHACM+HPC群はHPC,Unfilled群と比較し骨体積率で有意に高い値を示した。2022年度では術後4週での評価を行い,HACM+HPC群はHPC,Unfilled群と比較し骨体積率で有意に高い値を示した。術後4週のH-E染色においてHACM+HPC 群では,Unfilled,HPC群と比較し,新生骨様構造が多く観察され,術後2週と同様の傾向を示した。また,免疫組織化学染色(VEGF,α-SMA)を行い血管新生についても評価を行った。 In vitroでは,HACMをPBS中に溶解したHACM extract (100-500 ug/ml)を作製し,ELISAにてVEGFおよびFGF-2の濃度を測定した。ラットより採取した歯根膜由来細胞の培養液中にHACM extractを滴下し,細胞増殖能をWST-1,細胞遊走能をWound healing assayにより評価した。2022年度も引き続き同様の評価を行い,VEGFおよびFGF-2の成長因子が含めれている100 ug/ml のHACM Extractは,Control群と比較して歯根膜由来細胞の増殖および遊走の促進を認めた。 以上のことからHACMの含有成分が歯根膜由来細胞の増殖および遊走を促すことで,歯周組織治癒を促進させることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度はIn vivoではラットの歯種組織欠損を作製し術後4週での形態学的、組織学的な観察・評価を行えた。In vitroではHACMの抽出液を用いてELISAにてVEGFおよびFGF-2の濃度を測定することができた。以上のことから研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
In vitroにおいてはリアルタイムPCRによる骨形成関連遺伝子や血管新生関連遺伝子の発現・解析を行っていく。さらに,血管形成アッセイ・Endothelial tube formation assayによる血管新生の評価を画像解析ソフトを用いて解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおむね計画通りに進行している。
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