今後の研究の推進方策 |
1年目の結果を踏まえて表面処理後のCAD/CAM用ハイブリッドレジン,ジルコニア,二ケイ酸リチウム,コア用レジンおよび歯質(エナメル質,象牙質)における表面自由エネルギーの成分分析から,界面におけるレジンセメントとの相互作用について検討する。このことによって,各種表面に対するヒト唾液による表面汚染後の汚染物質の除去法および表面処理後のレジンセメントの接着性について考察する。 接着試験においては,表面自由エネルギー測定用試片と同様に調整した試片に対し,直径3 mmの穴をあけた,厚さ100 μmのテフロンテープを貼付し,被着面積を規定する。被着体としてはアルミナサンドブラスト処理を行なったステンレスロッド (直径10.0 mm) を用いる。ステンレスロッドにレジンセメントを塗布し,被着面に10 Nで10秒間圧接する。余剰セメントを除去した後,37℃相対湿度100% 湿潤下に5分または24時間保管する。所定の保管時間が終了した試片は,万能試験機 (Type 5500R, Instron, 現有) を用いて,剪断接着強さを測定する。また,試験終了後の試片に関しては,その破断面の破壊形式を分類評価する。 また,SEM観察においては表面自由エネルギー測定用試片と同様に処理した各試片を,通法に従ってフィールドエミッション型走査電子顕微鏡 (ERA-8800FE, Elionix, 現有) レーザー顕微鏡 (VK-9710, Keyence, 現有) を用いて観察する。
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