本研究において慢性炎症性疾患である歯周炎の存在が動脈硬化の発症や進展に関わるメカニズムの一部を明らかにした。それにより歯周病治療による動脈硬化の予防や進展抑制の可能性を示唆することができた。また、マイオカインの一つであるIrisinが歯周病原細菌由来のLPS刺激による血管平滑筋の増殖と遊走を抑制することを示したことで動脈硬化の新たな治療手段や予防法の確立につなげることが可能になる。また、動脈硬化も歯周病も世界中で多くの人々が罹患する疾患であり、特に動脈硬化性疾患によって多くの人の生命予後が左右されることから今回の研究成果はこれからの世界中の多くの患者の生命予後を改善する可能性を持っている。
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