近年の晩婚化に伴い,不妊治療を希望する患者数が増加している。最近,歯周感染・炎症が妊娠の成立に悪影響を与える可能性が報告され,不妊の新たなリスクファクターとしての歯周病の可能性が提唱されはじめている。本研究では,絹糸結紮歯周炎マウスモデルを用いて歯周感染・炎症が妊娠成立に及ぼす影響を検討した。その研究成果として,歯周炎マウス群では,1) 新生児出産数及び出生児体重が有意に減少し,2) 妊娠前子宮組織の肥大化および性ホルモン受容体の発現変動が生じることを確認した。以上の結果から,歯周感染・炎症が子宮組織に悪影響を及ぼすことによって子宮組織の変化を惹起し,不妊環境を誘発する可能性が示唆された。
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