研究課題/領域番号 |
21K17002
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
清水 智子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (80782854)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | SARS-CoV-2 / IL-1 / TNF-α / IL-17 / ACE2 / TMPRSS2 / FURIN / NRP1 |
研究実績の概要 |
本研究は、SARS-CoV-2の感染において歯周病がリスク因子となるかどうかを分子生物学的検索により明らかにしようとするものである。SARS-CoV-2の感染により多くの死亡例が存在するが、その原因の一つにサイトカインストームがある。興味深いことに、このサイトカインストームに関連するサイトカインと歯周病に関連するサイトカインは共通するものが多いことから、サイトカインの刺激が、SARS-CoV-2の感染に必要な分子の発現にどのように影響するかヒト歯肉培養細胞を用いて検討した。準備したリコンビナントはIL-1、TNF-α、IL-17である。用いた培養細胞は、ヒト由来歯肉上皮細胞を購入し、培養後6x4のプレートに播種し、1ng /mL、10ng/mL、 100ng/mLとなるように培地に添加し2時間培養した。その後、細胞を回収しRNAを抽出しリアルタイムPCRにより遺伝子の定量を試みた。対象とした遺伝子は、ACE2、TMPRSS2、FURIN、NRP1のSARS-CoV-2の感染に必要な遺伝子とした。IL-1の添加では、100ng/mLの群で、ACE2は1.76倍、TMPRSS2は4.76倍に添加後に増加した。FURIN、NRP1は顕著な変化を示さなかった。TNF-αの添加では、1ng/mLの群で、ACE2は1.79倍、TMPRSS2は3.28倍に添加後に増加した。FURIN、NRP1は顕著な変化を示さなかった。以上のことから、サイトカイン刺激によりACE2、TMPRSS2のレセプターとプロテアーゼの変動が認められた。このことは歯周病によるサイトカインの発現によりSARS-CoV-2の感染リスクが高まる可能性が考えられる。今後は、歯肉上皮培養細胞に歯周病原細菌の添加によりSARS-CoV-2の感染リスクが高まるかの検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遅れていた培養細胞が納入されるようになり、予定通りに進行し始めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、歯肉上皮培養細胞に歯周病原細菌とIL-17の添加によりSARS-CoV-2の感染リスクが高まるかの検証についてPCRを用いて行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度の研究計画の遅れに伴い、その未実施の計画を実施するために次年度使用額が生じている。令和5年度は、歯肉上皮培養細胞に歯周病原細菌とIL-17の添加によりSARS-Cov-2の感染リスクが高まるかの検証についてPCRを用いて行う予定である。
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