本研究はSARS-CoV-2の感染において歯周病がリスク因子となるかを分子生物学的探索により明らかにしようとするものである。 COVID-19では様々なサイトカインが病態の進展に関与しており、歯周炎の病態とCOVID-19で共通するサイトカインが認められる。そこで、ヒト歯肉上皮培養細胞を用いてサイトカインを添加することでSARS-CoV-2感染関連因子が変動するか検討した。 サイトカイン添加によりヒト歯肉上皮培養細胞は、ACE2およびTMPRSS2で明らかな増加が認められた。感染局所でのサイトカインの産生増加による環境変化が上皮細胞の感染リスクを増加させ重症化に関与するかもしれない。
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