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2022 年度 実施状況報告書

チタン表面改質によるマクロファージ活性化制御に基づいた新たな骨再生法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17020
研究機関名古屋大学

研究代表者

外山 直人  名古屋大学, 医学部附属病院, 客員研究者 (30877098)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード骨再生 / マクロファージ / チタン / 血管新生 / 大規模骨欠損 / 幹細胞
研究実績の概要

顎骨の再生治療において広範な骨欠損の再生はいまだ大きな課題である。大規模骨欠損の再生において最大の課題は欠損部への血流の確保である。生体組織において、一部の無血管組織を除き、血管からの酸素・栄養の供給は必須であり、損傷組織や欠損部での組織修復、再生ではその需要はより高まる。しかし、欠損が大規模化するほど中心部 への血流の確保は困難となる。現在それを可能にする方法は血管系をそのまま移植する血管柄付き自家骨移植、骨端から徐々に欠損の中心へと組織再生を進める仮骨延術のみである。大規模欠損の再生を可能にするような血管系の効果的、効率的な新生、構築を可能にする新たなアプローチが必要である。マクロファージは組織修復・再生において炎症反応だけでなくその極性によって、間葉系幹細胞などの直接的に組織修復を担う細胞の動員や分化に大きな影響を持つ細胞である ことがわかってきている。修復過程でその極性を適切にコントロールすることは血管新生を含む効率的な組織再生につながると考えられる。
本年度は昨年度に引き続きin vitroの実験を中心に進めた。 チタン表面の処理として簡便に実施可能な機械研磨と酸処理との比較を行った。チタン表面構造の変化の観察をおこなったうえで、マクロファージとしてTHP-1細胞を分化させたものを用いて材料表面上で培養し経時的な極性マーカーおよび血管新生関連遺伝子の発現の変化を解析した。
結果として処理後のチタンでは未処理のものと比較してマクロファージの極性マーカーが変化し、血管新生因子の遺伝子発現の経時的な変化が異なることを明らかにした。
現在、材料上で培養したマクロファージとヒト臍帯静脈内皮細胞やヒト間葉系幹細胞との非接触型の共培養、マクロファージの培養上清を用いた培養を行い、細胞の挙動(遊走、管腔形成、石灰化)、遺伝子発現、タンパク発現の解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

共培養など材料上で培養したマクロファージが間葉系幹細胞、血管内皮細胞におよぼす影響についての実験を進めている段階であり当初の予定からは遅れた進行となっている。

今後の研究の推進方策

引き続きin vitroの実験を中心に進める。材料上で培養したマクロファージの共培養もしくは培養上清を用いて間葉系幹細胞の骨形成関連遺伝子、タンパクの発現、血管内皮細胞の増殖能や管腔形成への影響の検討を進める。
また可能であれば確立ずみのラットもしくはマウスによる骨欠損モデルでの検討を進める。

次年度使用額が生じた理由

学会がオンライン参加であったことで旅費の計上が生じなかったこと、試薬が当初の予定より安価に済んだため。また、効率的に物品を購入した結果、経費の削減ができたため。動物の飼育費や実験器具の購入費として使用し、実験を遂行する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Family with sequence similarity 20 member B regulates osteogenic differentiation of bone marrow mesenchymal stem cells on titanium surfaces2023

    • 著者名/発表者名
      Song Xinman、Okabe Kazuto、Ohta Yuya、Ohara Go、Toyama Naoto、Chang Qi、Wang Yilin、Hibi Hideharu
    • 雑誌名

      Acta Biomaterialia

      巻: 161 ページ: 298~308

    • DOI

      10.1016/j.actbio.2023.02.035

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Psychological impact on patients with oral cancer before undergoing resection and free flap reconstruction surgery2022

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Satoshi、Kaminogo Kento、Tokura Tatsuya、Kimura Hiroyuki、Kishi Shinichi、Yamamoto Noriyuki、Ichimura Norihisa、Toyama Naoto、Koma Yoshiro、Kouyama Naoka、Ozaki Norio、Hibi Hideharu
    • 雑誌名

      Oral Oncology Reports

      巻: 3-4 ページ: 100004~100004

    • DOI

      10.1016/j.oor.2022.100004

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Controlling Nutritional Statusを用いた口腔癌患者の栄養評価2023

    • 著者名/発表者名
      外山直人, 山口聡, 岡部一登, 小間義朗, 甲山尚香, 上之郷健人, 日比英晴
    • 学会等名
      第41回日本口腔腫瘍学会
  • [学会発表] TRAIL 耐性頭頸部扁平上皮癌に温熱療法が与える効果2022

    • 著者名/発表者名
      小原豪, 岡部一登, 太田優也, 外山直人, 日比英晴
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会
  • [学会発表] 植込型左室補助人工心臓装着患者における口腔管理の検討2022

    • 著者名/発表者名
      酒井陽, 丸山裕, 外山直人, 坂口晃平, 山口聡, 岡部一登, 藤尾正人, 日比英晴
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会
  • [学会発表] TNF阻害薬が有効であったSAPHO症候群の1例2022

    • 著者名/発表者名
      鈴木秀祐,藤本雄大,井出貴洋,外山直人,南部和也,小間義朗,石川 純
    • 学会等名
      第67回日本口腔外科学会
  • [学会発表] 再建をともなう手術を受ける口腔癌患者のコーピングに関する検討2022

    • 著者名/発表者名
      上之郷健人, 山口聡, 山本憲幸, 小間義朗, 外山直人, 浦田悠輔, 甲山尚香, 日比英晴
    • 学会等名
      第47回日本口腔外科学会中部支部学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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