研究課題/領域番号 |
21K17038
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
三原 佑介 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (30779096)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 高齢者 / 口腔機能 |
研究実績の概要 |
2019年度国民生活基礎調査によれば、「かみにくい」有訴者は、70歳以降に急速に増加することが報告されている。かみにくさの自覚は、食品摂取の多様性を損なう可能性があるが、どのような人がかみにくさを自覚するのかについて報告した研究はあまりみられない。そこで本研究では、70歳、80歳の高齢者を対象に、食品のかみにくさ自覚に関連する因子を明らかにすることを目的とした。 SONIC研究に参加した69-71歳829名、79-81歳825名の地域高齢者1654名を対象とした。食品摂取の主観的評価には、ごはん、リンゴ、牛肉、堅焼きせんべいについて、「食べたことがない」「嫌いだから食べない」「食べられない」「困難だが食べられる」「小さくすれば食べられる」「普通に食べられる」の6件法にて回答を得た。「食べたことがない」「嫌いだから食べない」を除外し、食品のかみにくさ自覚を2群(自覚あり:食べられない、困難だが食べられる、自覚なし:小さくすれば食べられる、普通に食べられる)に分類した。統計学的分析として、性別、年齢群、教育歴、経済状況、喫煙・飲酒習慣、残存歯数、咬合力、刺激時唾液分泌速度、認知機能、既往歴(がん、脳卒中)、握力、うつ傾向を説明変数、食品それぞれのかみにくさの自覚を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。有意水準は5%とした。 食品ごとのかみにくさを自覚する者は、ごはん19名(1.1%)、リンゴ35名(2.1%)、牛肉77名(4.7%)、堅焼きせんべい204名(12.3%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、ごはんとリンゴでは、咬合力とうつ傾向、牛肉と堅焼きせんべいでは、残存歯数と咬合力、うつ傾向がそれぞれかみにくさの自覚に関連を認めた。本研究の結果、かみにくさの自覚には、残存歯数や咬合力の口腔因子に加え、うつ傾向といった精神的な状態が関連していることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID2019の影響で参加者数が予定よりもやや少ないが、データの整理、分析順調である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も、今年度同様、参加者の確保、データ整理、分析を遅滞なく進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID2019の影響で会場調査を計画通りに行うことができなかった。また、海外での研究成果発表会に参加できなかった。
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