研究課題/領域番号 |
21K17040
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
西村 優一 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70883263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インプラント / AI |
研究実績の概要 |
本研究は,後ろ向き調査のデータベースと追加調査により得られる実際の経過データを用いて,インプラント周囲炎の発症を高精度で予測するシステムを確立することを目的とする. 2021年度はCOVID19の影響で調査を十分に行えなかったため過去の後ろ向き調査のデータの整理および予備分析を行った. 本分析の周囲炎の定義は,BOPあるいは排膿を認め,かつ骨吸収を1 mm以上認めるものとした.機械学習モデルとしてサポートベクトルマシン(以下,SVM)を用い,分析に用いた変数は,基本情報(年齢,性別,経過年数,部位)に加えて,過去の報告より選択した周囲炎発症の関連因子(プラークコントロールレコード,喫煙の有無,インプラント周囲の角化粘膜の幅) とした.ダウンサンプリング法により正常群と周囲炎群のサンプル数が同数となるようにランダムに調整した後,調整後サンプルの7割を訓練データとして学習モデルを構築し,残りの3割を検証データとして周囲炎の発症を予測し,得られた予測値と実際の値を比較した. その結果,1613本のインプラント体(平均経過年数5.8年)の内,148本が周囲炎群であったため.296本(訓練データ207本,検証データ89本)が分析に用いられた.SVMによる予測の正確度は0.79,適合率は0.73,再現率は0.88,F値は0.80ならびにAUCは0.81であった.また,本モデルにおける変数の重要度は,経過年数,プラークコントロールレコード,インプラント周囲の角化粘膜幅の幅,年齢,喫煙,部位,性別の順であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響で,2021年度に予定していた調査が行うことができず,協力施設への訪問も十分にできなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は2021年度にできなかった追跡調査を感染対策に十分配慮した上で行い,データの整理・分析を行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響により,2021年度に調査ができなかったため,次年度使用額が生じた.2022年度は感染対策に十分配慮した上で調査とデータの分析を行う予定である.
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