本研究は「荷重」と「骨質」の関連性に着目し,個別化インプラント荷重プロトコルの開発を目的とした. 健全ラット上顎骨インプラントモデルにより早期荷重は,非荷重状態と比較して,骨質を向上させることが明らかとなった.興味深いことに、早期荷重は,評価パラメータに基づく骨質と骨量に対して,従来の通常荷重よりも有意に強い影響を及ぼした.一方,骨粗鬆症ラット上顎骨インプラントモデルにおいて,PTHの間歇的投与は骨質の改善効果があることが明らかになった. 以上から本研究により,インプラント周囲の骨質と骨量の両方に基づいて,荷重開始時期の科学的根拠を示唆するものとなり,インプラント治療戦略決定の一助となった.
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