研究課題/領域番号 |
21K17053
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
木原 琢也 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (50796399)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 有限要素解析 / CT / AI / 咀嚼筋 / 咬合 |
研究実績の概要 |
過大な応力の集中は、補綴装置や歯根の破折、顎関節の変形など様々な悪影響を及ぼす。患者の歯列・骨の解剖学的形態データに筋肉・咬合力の口腔機能データを統合したテーラーメイド有限要素解析モデルの作成を行い、補綴装置の材料選択や設計にフィードバックするシステムの開発を行うことを目的とする。 深層学習を用いた筋肉の個体化モデルの自動生成について、CT画像より咀嚼筋を領域分割し、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた筋骨格ラベル画像の学習を行った。口腔内に金属が存在すると金属アーチファクトの影響により、咀嚼筋の形状も正しく抽出することが難しくなるため、CT画像の金属アーチファクトの低減についても検討した。使用した症例数は金属アーチファクトのないCT画像が36症例、実臨床CT画像が1196症例であった。本研究によってCNNを用いた学習により咀嚼筋を自動セグメンテーションし、三次元モデルを正確に生成することが可能となった。テーラーメイド有限要素解析モデルの生成と応力解析の高速化においては、座標統合を行った歯と歯槽骨の三次元モデルから有限要素解析モデルの生成について検討した。CT画像から歯と歯槽骨を抽出し、歯列模型の三次元データと統合したモデルを製作した。ボクセルを扱える有限要素解析ソフト(Voxelcon)を用いて三次元モデルを有限要素解析可能なデータに変換した。ボクセルは複雑な組織を正確にモデル化できる特性があり、解析エラーが少なく、応力解析の高速化が可能となった。本手法を用いて、上顎第一大臼歯部の有限要素解析モデルを製作し、咬合接触について検討した結果、応力の観点からABCコンタクトの臨床における有用性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はCT画像を用いて咀嚼筋の自動セグメンテーションを可能とし、有限要素解析に用いる機能データを取得する方法を確立した。また、テーラーメイド有限要素解析モデルの高速生成と実際の臨床モデルを構築して解析したところまで進捗しているため、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も計画通り、個体別の咀嚼筋を活用したテーラーメイド有限要素解析を行うため、咀嚼筋のボリューム計測と有限要素解析における荷重条件の設定について研究を進めていく予定である。また、生体三次元モデルの緻密化、咬合力データや顎運動データを用いた患者個別の有限要素解析が行えるよう研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初購入を予定していた物品の価格変動に加え、学内の物品にて代替可能な研究を行ったため、次年度使用が生じた。次年度では、咬合力測定に必要な感圧シート、CAD/CAMを用いた補綴装置の製作に必要となるPMMAやジルコニアなどの切削加工用ブロックとミリングバーを購入予定としている。
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