研究課題/領域番号 |
21K17063
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
渡邊 翔太 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10876692)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | インプラント / ジルコニアアバットメント |
研究実績の概要 |
審美歯科領域におけるインプラント治療において,選択される機会が多いジルコニアアバットメントは,インプラント体との連結部分にチタンベースが介在するチタンベースタイプと,連結部分を含めすべてジルコニアからなるフルジルコニアタイプに大別される.このチタンベースの有無や,チタンベースのデザインの違いと,ジルコニアアバットメントの破壊抵抗性との関連性については,未だ不明な点が多く,これらを明らかにすることが本研究の目的である. 2021年度は,チタンベースの有無とジルコニアアバットメントの力学的特性との関連を評価した.自社のCAD/CAMシステムを保有し,同一のテーパージョイント型インプラント体に対してチタンベースの有無を選択可能なNobel Biocare社およびStraumann社の純正ジルコニアアバットメントを用いて評価を行った.各社,同形状の試験体アバットメントについて負荷試験機(Electro Puls E3000,INSTRON)を用いて破壊試験を行うことで,チタンベースの有無とジルコニアアバットメントの破壊強度との関連について評価を行った. 破壊試験前後のインプラント体は,マイクロCTにて撮影し,解析ソフト(TRI/3D-BON,RATOC)上でそれぞれ三次元モデルを構築,重ね合わせを行った.この重なりからはみ出した部分の体積をインプラント体の変形量,すなわちアバットメント破壊に先行してインプラント体に及んだダメージの大きさと捉え,新しい側面から力学的評価を行った. 以上の実験より,チタンベースタイプで破壊抵抗性が大きいことが明らかとなった一方,チタンベースのデザインによっては,破壊に先行してインプラント体がダメージを受けやすい傾向にあることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延により,研究活動に制限がかかったため,当初予定していた疲労試験において,十分なサンプル数での実験が行えていない.
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今後の研究の推進方策 |
今後は前年度に引き続き実験を行い,統計学的に信頼性の高い結果が得られるよう,サンプル数の確保に努める. また,2022年度はチタンベースのデザインの違いとジルコニアアバットメントの力学的特性との関連についても評価対象とする.理想的なインプラント体連結部デザインに関する力学的示唆を得られるよう,チタンベースのデザインを多面的に検討していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの蔓延により,研究活動が制限されたことにより,研究計画がやや遅れたため,結果,次年度使用額が生じた. 次年度は予定されたサンプル数での実験を,可能な限り計画通り進めていく.
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