| 研究課題/領域番号 |
21K17075
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| 研究機関 | 日本大学 |
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研究代表者 |
平場 晴斗 日本大学, 歯学部, 助教 (00800989)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | 接着 / 機能性モノマー / 表面処理 / 歯学 / 貴金属 / 非貴金属 |
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| 研究実績の概要 |
歯科用合金を用いた補綴装置を装着する際，機能性モノマーを含有するプライマーを用いた表面処理が接着強さの向上に有効である。貴金属に有効な有機硫黄化合物は貴金属表面で構造が変化し，直接吸着する。非貴金属に対しては、非貴金属表面に生じる酸化膜に作用する酸性機能性モノマーが有効である。これら機能性モノマーは，レジンと共重合することで接着性の向上に寄与することが明らかとなっている。本研究の目的である簡便かつ接着耐久性に優れた歯科用合金への臨床術式の確立のために，まずは今後の使用頻度が高まると考えられる非貴金属合金である鋳造用チタン合金を用いた研究を実施した。
本邦で保険収載された鋳造用チタン合金に対しては，酸性機能性モノマーが有効であることが知られている。一方で，補綴装置の材料が多様化したことで，接着対象を限定しない複数の機能性モノマーを含んだ多目的プライマーが開発されているが，その有効性については不明であった。また，実際の臨床現場では，装着の直前に付着した唾液などの汚れを除去などを目的にアルミナ粒子を用いたブラスト処理が行われる。鋳造用チタン合金に対するブラスト処理と多目的プライマーとの併用については不明であった。
令和３年度は鋳造用チタン合金および金合金タイプIVを被着体として用いて，トリ-n-ブチルホウ素重合開始型アクリルレジンとの接着強さにおよぼす影響についての比較検討および表面性状の分析を行った。その結果，鋳造用チタン合金および金合金タイプIVに対して，多目的プライマーは有効であることがわかった。また，ブラスト処理は鋳造用チタン合金の接着耐久性の向上に寄与することが示唆された。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯科臨床において使用されている多目的プライマーは，複数の機能性モノマーを含むことで使用されている材料を選ばないことが利点であるが，効果の無い機能性モノマーが含まれることでの接着耐久性に対する影響は不明な点が残されていた。そこで令和３年度は，急激な貴金属合金の高騰による影響を受けたが，貴金属合金のみならずチタン合金を被着体として用いることで対応し，ブラスト処理と多目的プライマーの併用が歯科用合金の接着に及ぼす影響を比較検討した。その研究は予定通りに進行し，研究結果の解析，分析，さらには論文作成が終了した。研究成果については，国際誌に投稿し，令和４年の４月に受理が決まった状態である。また，本研究成果は学会にて発表を予定している。
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| 今後の研究の推進方策 |
想像以上の急激な貴金属合金の高騰による影響を受けたが，令和４年度で使用する試料の製作についても概ね順調に進んでいる．現在市販されている多目的プライマーを用いた機能性モノマーの相互作用については一定の結果が得られたことから，交付申請書に記載した研究計画に従い，歯科用合金の表面の酸化膜と接着機能性モノマーの接着機構の分析を行い，接着耐久性の向上についての検討を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究計画時に予想していた以上の急激な貴金属の高騰により，歯科用貴金属合金はパックでの販売であることから，予定していた数量が購入できなかったことで残金が生じた。次年度への繰越金は，令和４年度と合わせることによって令和３年度に不足した分の購入に使用する予定である。
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