研究課題/領域番号 |
21K17079
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
小渕 隆一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (50884607)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 咀嚼 / 下顎運動 / モーションキャプチャー |
研究実績の概要 |
咀嚼に異常の訴えがない健常成人 32 名(男性 16 名,女性 16 名,平均年齢 25.0±2.8 歳)を対象にグミゼリーを 20 秒間自由に咀嚼させ,咀嚼能力の評価としてグルコース溶出量を測定した。 咀嚼能率と顎運動の 1 周期の時間,各期の移動距離,速度との間には有意な相関を認めなかった。咀嚼能率と 1 周期に占める開口期の時間の割合との間に有意な負の相関(r=- 0.59 p<0.001),移行期の時間の割合との間には有意な正の相関(r=0.51 p<0.001)を認めた。閉口期の時間の割合との間には有意な相関がなかった。本研究では開閉口の距離や速度,咀嚼回数の代理指標である1周期の時間といったパラメータと,咀嚼能率との間で相関を認めなかった。一方,咀嚼能率と開口期時間の割合との間に負の相関,移行期の時間の割合との間には正の相関を認めた。開口期は,次の咀嚼のための準備期間と言える。準備のための時間を短くすることで,より食品粉砕にかける時間の割合が増え咀嚼能力が高くなると考えられる。しかし,閉口期の時間の割合だけに着目すると,相関がなかった。 一方,移行期の時間の割合との間には正の相関を認めた。移行期は閉口してから開口するまでの期間で,実際に対合歯同士が咬合し,食品が粉砕されている期間であると考えられる。そのため,移行期にかける時間割合が多くなると,食品粉砕にかける時間が多くなり,結果として咀嚼能率が高くなると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、コロナ影響が残る中、被験者集めに苦労したが、予定通りの被験者数に達している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は健常者データ採取を予定通り行った。今後は、老人施設に入所中の高齢者を対象にデータ採取を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、COVID19により、学会や研究打ち合わせの出張が中止となることが多かった。次年度には、本年度にできなかった研究打ち合わせ出張などとして使用する予定である。
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