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2023 年度 実施状況報告書

下顎口唇運動のモーションキャプチャーによる咀嚼評価法-適切な介護食形態の決定-

研究課題

研究課題/領域番号 21K17079
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

小渕 隆一郎  大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (50884607)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード咀嚼 / 下顎運動 / モーションキャプチャー
研究実績の概要

高齢者の摂食・嚥下障害の対応は介護の現場での課題と言える.適切な食事形態の提供を目的とした咀嚼能力の評価は,多くの介護現場では実施困難である.実際の食事の様子をモーションキャプチャすることで咀嚼能力の評価が可能となれば,誰もが簡便に咀嚼能力の評価が可能になると考えられる.

グミゼリーを用いて得られたAmount of glucose extracted (AGE)を咀嚼能力評価の計測値として用い,咀嚼時の顎運動のモーションとAGEとの関連を調査し,モーションキャプチャを用いて咀嚼能力の評価が可能か検討した.
被検者は健常な成人50名とした.グミゼリーを咀嚼している様子をハイスピードカメラを用いて撮影を行った.AGEからNormal masticatory group (NG)とLow masticatory group (LG) に分類した.撮影した動画をモーションキャプチャ分析によって咀嚼の1周期を閉口期,移行期,開口期に分類した.移動経路の距離(閉口距離,開口距離),咀嚼の1周期の時間,1周期に占める各期の割合,移動速度(閉口速度,開口速度)を顎運動のパラメータとして算出し,AGEとの関連を検討した.

AGEと1周期の時間,1周期に占める移行期の時間の割合,1周期に占める開口期の時間の割合との間に相関があることがわかった.また,NGでは1周期に占める移行期の時間の割合がLGと比べ有意に大きく,1周期に占める開口期の時間の割合はLGと比べ有意に小さかった.NGとLGの分類に影響する変数を検索するために行った多重ロジスティック回帰分析では,年齢,1周期に占める移行期の時間の割合,開口速度が予測因子として挙げられた.モーションキャプチャにより顎運動の分析は可能であった.移行期と開口期の時間の割合を分析することで咀嚼能力評価ができる可能性が示された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的をより精緻に達成するため、サブグループ解析や、学会参加、論文投稿を行うため期間を延長した。

今後の研究の推進方策

本研究の目的をより精緻に達成するため、サブグループ解析や、顎運動パターンの分類、学会参加、論文投稿を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

サブグループ解析、顎運動パターンの分類など、追加の解析に時間がかかり、未使用の費用が発生した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The effect of masticatory movement patterns by motion capture analysis on masticatory performance2024

    • 著者名/発表者名
      2.Masahiko Yutani, Kentaro Okuno, Masaaki Imaoka, Ryuichiro Kobuchi, Kazuya Takahashi
    • 雑誌名

      Journal of Osaka Dental University

      巻: 58 ページ: 349-353

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Evaluation of masticatory performance by motion capture analysis of jaw movement2023

    • 著者名/発表者名
      Imaoka Masaaki、Okuno Kentaro、Kobuchi Ryuichiro、Inoue Taro、Takahashi Kazuya
    • 雑誌名

      Journal of Oral Rehabilitation

      巻: 50 ページ: 1020~1029

    • DOI

      10.1111/joor.13538

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 兵庫丹波篠山地区で口から始める多面的同時アプローチによるフレイル予防活動報告2023

    • 著者名/発表者名
      赤尾光輝,和田圭史,奥野健太郎,真砂彩子,小渕隆一郎,今岡正晃,髙橋一也
    • 学会等名
      日本老年歯科医学会第34回学術大会

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公開日: 2024-12-25  

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