• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

ラット下顎骨延長モデルを用いた進行性下顎頭吸収の予防・治療法の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21K17085
研究機関新潟大学

研究代表者

須田 大亮  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20806137)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード進行性下顎頭吸収(PCR) / 卵巣摘出(OVX)ラット / 下顎骨延長モデルラット
研究実績の概要

進行性下顎頭吸収(Progressive condylar resorption: PCR)は顎変形症に対する外科的矯正手術後の患者にしばしばみられる異常な下顎頭吸収で、外科的矯正手術の後戻りの原因の一つとされているが、その効果的な治療法はいまだに確立されていない。その発症機序解明や治療法開発を目的に、当分野ではこれまでにラット下顎骨延長モデルを用いた実験を行ってきた。
実際の臨床における顎変形症術後のPCRは、男女比1:10で女性に多いとされ、その発症
にエストロゲンなどの性ホルモンが関与していると報告されている。本研究は卵巣摘出ラッ
ト(OVXラット)と、当分野で作成したラット下顎骨延長モデルを用いて、性ホルモンが下顎頭吸収に及ぼす影響を検索する予定である。
研究1年目の2021年度は雌性Wistarラット16頭を2群に分けそれぞれをOVX群とSham群とし、OVX群には卵巣摘出術を実施し、Sham群には卵巣までのアプローチをするが摘出は行わなかった。OVX群は卵巣摘出術後の特徴である体重の増加を認め、卵巣摘出術が適切に行われたことを確認した。OVX群、Sham群のそれぞれ6頭については実験期間終了後に潅流固定して下顎頭をμCT撮影した。残った2頭ずつは下顎骨延長術を行い潅流固定した。μCT像よりOVX群はSham群と比較して下顎頭の骨の低形成を認めているが、その詳細な解析は今後行う予定である。下顎骨延長術を行ったラットのμCT撮影も今後行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラット16頭に対し卵巣摘出術(またはSham手術)を実施し、μCTで下顎頭の撮影を行ったところ、OVX群では骨の低形成の様子を認め、概ね予想していた下顎頭の状態であることをかくにんすることができた。OVX群のラット2頭に対し下顎骨延長術を施行し、予定通りの手術を行うことができることを確認した。

今後の研究の推進方策

2022年度は撮影したμCTの分析から開始する。下顎骨延長術を施すラットを増やして下顎頭吸収を観察し、卵巣摘出による性ホルモンの不全と、下顎頭吸収の関連を検討する予定である。また、骨標識による代謝回転の分析についても準備を開始する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスによってオンライン開催の学会が増えたため、旅費としていた分の研究費が余ってしまった。研究の器材代として大部分を使用したが、一部余ることとなってしまった。2022年度の器材代として利用する予定である。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi