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2022 年度 実施状況報告書

口腔領域の糖タンパク質をターゲットにした分子イメージング技術の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K17086
研究機関福井大学

研究代表者

吉田 寿人  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40791794)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード分子イメージング / 糖鎖 / 口腔癌 / 炎症
研究実績の概要

昨年度、FDG-PETにて口腔領域に集積を認めた症例のStandardized uptake value(SUV)や臨床データについて分析を行った。口腔癌と炎症性疾患のSUVmaxの間に有意差が認められたが、口腔癌を早期癌と進行癌に分けると、炎症のSUVmaxとの間で有意差はみられなかった。このため、口腔癌と炎症性疾患を鑑別可能な分子イメージングが必要であると考えられた。
そこで今年度は、口腔領域の炎症性疾患および口腔扁平上皮癌における糖鎖発現血管に関する実験を行った。口腔領域の炎症性疾患は顎骨領域の発生する疾患に焦点をあて、歯根嚢胞、炎症の強い含歯性嚢胞、顎骨骨髄炎の標本を用いた。血管に発現している糖鎖は様々あるが、その中で、硫酸化シアリルルイスX糖鎖のマーカーであるMECA-79を用いて免疫組織化学染色を行った。免疫染色の結果、歯根嚢胞、顎骨骨髄炎、口腔扁平上皮癌においてMECA-79陽性血管の発現が確認できたが、発現の割合は口腔扁平上皮癌と比較し口腔領域の炎症性疾患の方が高かった。この結果から、口腔領域の癌と炎症性疾患を鑑別するため、硫酸化シアリルルイスX糖鎖がマーカとなりうる可能性が示唆された。一方で、発現割合は少ないが、口腔扁平上皮癌にも硫酸化シアリルルイスX糖鎖は発現しているため、口腔癌と炎症性疾患のより鑑別精度の高い糖鎖や糖タンパクの探索も同時に必要になると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度の実験で発現が確認された糖鎖以外にも、口腔領域の炎症性疾患と口腔癌において発現に差がある糖鎖や糖タンパクの探索を追加で行う必要がでてきたため。

今後の研究の推進方策

口腔領域に発現している糖鎖の蛍光プローブを作製し、まずはin vitroで蛍光プローブの有用性を確認していく。同時に、口腔癌および炎症性疾患のFDG-PETの画像についてテクスチャ画像解析も行っていく。

次年度使用額が生じた理由

今年度、糖鎖の蛍光プローブ作製を行うことができなかったため、次年度使用額が生じた。次年度、糖鎖の蛍光プローブ作製とin viroでのプローブ有効性の確認を行うために繰り越した研究費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Droplets Adhesion to Surgical Masks during Standard Oral Surgery2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshida Hisato、Makino Akira、Yamaguchi Ayaka、Matsuda Shinpei、Sakamaki Ippei、Yoshimura Hitoshi、Iwasaki Hiromichi
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Infectious Diseases

      巻: 76 ページ: 84~86

    • DOI

      10.7883/yoken.JJID.2022.184

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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