研究課題/領域番号 |
21K17088
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
関 壮樹 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (60755081)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ALS / 筋萎縮性側索硬化症 / 咀嚼障害 / AI / 人工知能 / バイオマーカー / 一次感覚神経 / 三叉神経中脳路核 |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は運動ニューロンの変性を伴った重篤な筋力低下を伴う難病であり、病気の進行に伴い、咀嚼・嚥下障害がみられ、経口摂取困難となり死に至る。これまでの研究では乳幼児期のALSモデルマウス (SOD1-G93A) において、咀嚼を制御する一次感覚神経の発火異常が報告されている。本研究ではALS モデルマウスを用いて、① 咀嚼障害が病期のどの時期にどのように現れるのか、人工知能(AI)を用いた咀嚼行動の検討を行う。さらに、② 咀嚼を制御する一次感覚ニューロンの発火異常が病期とともにどのように推移するのか、電気生理学的な検討を行い、ALSの咀嚼障害の治療に有益な手法の考案を目的とする。 ①において、ALSモデルマウスの咀嚼行動をビデオカメラで撮影、撮影した動画をSSD (Single Shot MultiBox Detector)を用いて咀嚼サイクルを自動検出し、野生型マウスと比較検討したところ、ALSモデルマスでは野生型マウスと比較し、12週齢頃より咀嚼サイクルが有意に延長することがわかった。 ②においては現在、咀嚼を制御する一次感覚神経の電気生理学的検討を行い、成熟期のALSモデルマウスにおいても異常な発火活動と基本膜特性の変調を認めた。 ALSモデルマウスの咀嚼サイクル検出AIの開発と、咀嚼サイクルの経時的変化、成熟期ALSモデルマウスにおける一次感覚ニューロンの変調について、第67回、口腔外科学会総会、2022.Oral Science にて学会発表した。2023.03.27 Nutrients誌にて研究成果を論文報告した(Kitaoka and Seki et al.,2023)。2023.International Conference on Oral and Maxillofacial Surgery (ICOMS) にて学会発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ALSモデルマウスの咀嚼行動をビデオカメラで撮影、撮影した動画をSSD (Single Shot MultiBox Detector )を用いて咀嚼サイクルを自動検出し、野生型マウスの咀嚼サイクルと比較検討したところ、ALSモデルマスでは野生型マウスと比較し、12週齢頃より咀嚼サイクルが有意に延長することがわかった。ALSモデルマウスの咀嚼サイクル検出AIの開発に成功し、実用可能になった。これまでの研究成果を国内外の学会にて発表し、著名な国際誌に論文投稿、採択されたため、研究はおおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
①ALSモデルマウスを使い、咀嚼に関する一次感覚ニューロンの異常の詳細と、経時的変化についてさらに検討を行う。 ②咀嚼に関する一次感覚ニューロンをターゲットとした、ALS治療薬の考案を行い、治療効果について、ALSモデルマウスを使った電気生理学的な判定を行う。 ③ALSモデルマウスで開発した咀嚼運動判定AIを応用し、ヒトの咀嚼運動判定AIの開発を進める。 ④開発したヒトの咀嚼運動判定AIをALS患者に応用に、ALS進行状況の判定、治療効果効果判定が行えるような、非侵襲的なALS診断バイオマーカーの開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ALSモデルマウスの輸入が新型コロナウイルス蔓延のため、予定通りに行われなかったため。引き続き、ALSモデルマスを輸入、動物実験を継続する。
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