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2021 年度 実施状況報告書

超音波エラストグラフィとドプラ画像による舌癌進展範囲の評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K17110
研究機関新潟大学

研究代表者

新垣 元基  新潟大学, 医歯学総合病院, 非常勤研究員 (90846081)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード超音波エラストグラフィ / ドプラ / 舌癌
研究実績の概要

retrospective studyとして、2018年1月から2022年3月にかけて手術を施行した舌初期癌39症例の術前舌エコー画像およびエラストグラフィとドプラ画像を術後の病理組織標本と比較検討を行った。検討項目は、深達度(DOI)、筋層浸潤、分化度、間質反応、Y-K分類、神経浸潤、脈管浸潤とした。症例の内訳は、男性25例、女性14例で、年齢は最低31歳、最高89歳、中央値66歳、T分類はT1が23例、T2が16例であった。画像への影響を考慮して、術前に放射線、化学療法を行った症例および検査前に生検を行った症例は除外した。
超音波診断装置本体には日立メディコ社製Preirusを使用し、探触子にはホッケースティック型の7-13Mz術中用小型探触子を使用した。本研究で採用しているエラストグラフィは、硬さ情報が相対的であり客観的な評価が不完全という欠点を有しているため、エラストグラフィを行う際には高分子ゲル音響カップリング材を使用し、癌組織と周囲組織およびカップリング材との歪み比(Strain ratio)を計測することで、半定量的に硬さの数値化も行った。エラストグラフィでは、癌組織は硬い領域として描出され、Strain ratioでは周囲組織の方がカップリング材よりも高く、歪みが大きい傾向にあった。
また、可動性のある舌に対するエラストグラフィは、同一検査者においてもある程度のばらつきが生じることが予想されることから、切除標本に対するエラストグラフィも行い、これによって得られた画像と術前のエラストグラフィ画像との比較も行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

retrospective studyによる術前のエラストグラフィ画像と病理組織標本との比較は行えているが、切除標本に対するエラストグラフィはまだ症例数が少なく、術前の画像との十分な比較が行えていない状況である。

今後の研究の推進方策

症例数をさらに増やすとともに、以前の症例も含めてエラストグラフィに加えてドプラ所見についてのretrospective studyも進め、画像上の鑑別点を抽出して数値化し統計学的解析を行い、診断基準の策定に繋げる。その上でより客観的な評価を行うために、既知のヤング率を有する硬さファントムとの比較を行うことで、高分子音響カップリング材を弾性参照体として利用する上での精度について検討する。カップリング材については、内部性状もの比較のため、寒天ゲル音響カップリング材も使用して検査を行う。
また、切除標本に対するエラストグラフィの症例数も増やし、術前に得た画像との相違点がないかを検討することにより、術前の画像診断法としての高い精度が得られるようにする。

次年度使用額が生じた理由

消耗品である高分子ゲル音響カップリング材は、当施設で保管されているものを使用したため、新たに購入する必要が生じなかった。
旅費については新型コロナウイルス感染拡大のため、学会参加が困難であった。
使用計画としては、高分子ゲル音響カップリング材、寒天ゲル音響カップリング材、硬さファントムの購入および学会出張に充てる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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