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2022 年度 実施状況報告書

超音波エラストグラフィとドプラ画像による舌癌進展範囲の評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 21K17110
研究機関新潟大学

研究代表者

新垣 元基  新潟大学, 医歯学総合病院, 非常勤研究員 (90846081)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード超音波エラストグラフィ / ドプラ / 舌初期癌
研究実績の概要

retrospective studyとして、2018年1月から2023年3月にかけて手術を施行した舌初期癌47症例の術前舌エコー画像およびエラストグラフィとドプラ画像を術後の病理組織標本と比較検討を行った。
検討項目は、深達度(DOI)、筋層浸潤の有無、分化度、間質反応、Y-K分類、神経浸潤と脈管浸潤の有無とした。エコー画像への影響を考慮して、術前に放射線、化学療法を施行した症例および検査前に生検を施行した症例は除外とした。超音波診断装置本体には日立メディコ社製Preirusを使用し、探触子にはホッケースティック型の7-13Mz術中用小型探触子を使用した。症例の内訳は、男性32例、女性15例で、年齢は最低31歳、最高89歳、中央値67歳、T分類はT1が28例、T2が19例であった。
本研究で採用しているエラストグラフィは、硬さ情報が相対的であり客観的な評価が不完全という欠点を有しているため、エラストグラフィを行う際には高分子ゲル音響カップリング材を使用し、癌組織と周囲組織およびカップリング材との歪み比(Strain ratio)を計測することで、半定量的に硬さの数値化も行った。エラストグラフィでは、癌組織は硬い領域として描出され、Strain ratioでは周囲組織の方がカップリング材よりも高い傾向にあった。
また、可動性のある舌に対するエラストグラフィは、同一検査者においてもある程度のばらつきが生じることが予想されることから、切除標本に対するエラストグラフィも行い、これによって得られた画像と術前のエラストグラフィ画像の比較も行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

retrospective studyによる術前のエラストグラフィ画像と病理組織標本との比較は行えているが、切除標本に対するエラストグラフィは今年度も実施できた症例が少なく、全体としての症例数が少ないため、術前の画像との十分な比較が行えていないのが現状である。

今後の研究の推進方策

引き続き、症例数を増やすとともに、以前の症例も含めてエラストグラフィに加えてドプラ所見についてのretrospective studyも進め、画像上の鑑別点を抽出して数値化し統計学的解析を行い、診断基準の策定に繋げる。
その上でより客観的な評価を行うために、既知のヤング率を有する硬さファントムとの比較を行うことで、高分子音響カップリング材を弾性参照体として利用する上での精度について検討する。また、カップリング材についても厚みや種類を変えて検討を行う。
さらに、切除標本に対するエラストグラフィ実施症例も増やし、術前に得た画像との相違点についても検討することにより、術前の画像診断法としての高い精度が得られるようにするとともに、頸部リンパ節転移を含めた予後の予測にも繋げていく。

次年度使用額が生じた理由

消耗品である高分子ゲル音響カップリング材は、当施設での残存していたものを使用したため、新たに購入する必要が生じなかった。
旅費については新型コロナウイルス拡大のため、学会参加が困難であった。
使用計画としては、高分子ゲル音響カップリング材、新たなカップリング材および硬さファントムの購入、学会出張に充てる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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