頭頸部癌における放射線治療後の唾液分泌量の低下は、治療後1ヶ月から1ヶ月半で約90%の患者が認める症状である。しかし、放射線治療後の口腔乾燥症の治療法は未だ確立されておらず、水分補給や保湿剤配合の洗口液の使用、人口唾液使用等の対症療法が主体となっているのが現状である。本研究では、カテーテルを用いたヒトへの臨床応用において、安全で且つ再現性のとれる手技の確立および移植細胞の容積決定の基盤データを獲得することを目的としている。
以下に本年度の研究成果を示す。 1.千葉大学大学院口腔科学講座の研究室において、口唇腺細胞を初代培養し、継代する際に細胞を一部凍結保存し残りを従来のプロトコール通りに培養継続した。凍結した細胞を融解し、再度培養したところ口唇腺細胞は死滅することなく安定した培養を行えることを確認した。 2.凍結前後の細胞で細胞の同一性を確認するためSTR解析を行う準備を行った。
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