研究課題/領域番号 |
21K17129
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
米永 一理 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (60756774)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | カヘキシア / イートロス / 食 / 摂食嚥下 / 苦痛 |
研究実績の概要 |
本研究では、カヘキシアの病態を解明するプロセスとして、カヘキシアに関連するサイトカインの分子生物学的な解析を行うことで、カヘキシアを防ぐ抗炎症作用の解明を目的としている。 2021-2025年度の5年間で、次の3点を順序立てて、一元的な研究として明らかにしてようとしている。項目は、1)カヘキシア発症におけるサイトカイン関与の分子生物学的解析、2)関連サイトカインによる抗炎症作用の解明、3)関連サイトカインに対する抗炎症効果を期待した注入療法によるカヘキシア治療の検討、である。 具体的には、1)では、カヘキシアには炎症性サイトカインによる慢性炎症、または急性炎症が関与していること、および抗炎症性サイトカインの働きの重要性が明らかにしようとしている。このことが明らかとなれば、炎症性サイトカインと抗炎症性サイトカインがカヘキシアの予測、治療、予防のバイオマーカーになる可能を導きだせると予想する。2)では、カヘキシア状態のモデルマウスに対し、抗炎症性サイトカインが働くとカヘキシアの進行を遅らせることができるかを解明しようとしている。3)では、ASCの抗炎症効果を用いたカヘキシアに対する効能を示し、ASCの注入療法による介入で、カヘキシアの改善効果があるかを解明しようとしている。 これらにより、カヘキシアの診断/治療/予防、および食べられないことに対する口腔医学の 基礎研究のエビデンスの蓄積を行い、先進的に他領域に対しても情 報発信を行うことで、『食べる』を担う歯科としてカヘキシア研究をリードすることを目指している。 結果として本年度までに、カヘキシアの因子として加齢性変化との関わりが明らかとなりつつあり、解析を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに実施できている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、計画通りに結果をまとめていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費の節約ができたため。 一方で、次年度はさらなる経費がかかる見込みである。
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