がん幹細胞は、難治性の根源であると考えられ、これらを標的とした治療が新たな治療戦略として注目を集めている。口腔がんに対しても、同様の治療戦略の確立が急務であるが、従来の二次元培養した口腔がん細胞に含まれる幹細胞は20%以下であり、その単離は煩雑である。本申請で開発したマイクロウェルチップは、簡便に口腔がん細胞の幹細胞化が誘導可能であり、幹細胞化の分子機構の解明や、関連分子の標的化による薬剤抵抗性の獲得防止を目剤した治療戦略の提案へと繋がることが期待される。 また同チップはデザインの自由度が高く、がん細胞以外の細胞にも応用可能な汎用性の高い、革新的な三次元培養法を提案できるものと確信している。
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