研究課題/領域番号 |
21K17150
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小林 真左子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (90706954)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 骨吸収抑制剤 / マクロファージ / 骨補填材 / 骨造成 |
研究実績の概要 |
骨吸収抑制剤であるビスホスホネート製剤や抗RANKL (receptoractivator of NF-κB ligand)抗体製剤は、薬剤関連顎骨壊死発症のリスク因子である。そのため、骨吸収抑制剤投与中の患者に骨造成が必要な場合、その有効性のエビデンス不足から骨補填材を用いた方法が積極的に選択されることは少ない。 本研究は、骨吸収抑制剤を投与した際に誘導されるバイオマテリアル関連マクロファージに注目し、その機能を明らかにし、骨形成能との関連性を検討することを目的とした。 骨吸収抑制剤として、1)ゾレドロネート(ZDL)、2)抗RANKL抗体(mAb)、骨補填材として、1)Deproteinized bovine bone mineral(DBBM)、 2)カーボネイトアパタイト(CO3Ap)を使用した。 In vitro実験として、骨補填材上で培養したマクロファージを骨吸収抑制剤で刺激した際の細胞反応を検討するために、まず、骨補填材上でヒト単球由来細胞株THP-1細胞をマクロファージに分化させ、形態変化や生存能を経時的に解析した。骨吸収抑制剤刺激下のマクロファージの反応の検討については現在、培養至適条件を検討中である。 また、In vivo実験として、C57BL/6J雌マウスを使用し、1)コントロール(PBS)、2)ZDL、3)mAbを全身投与した後、マウス頭蓋骨欠損モデルを作成した。骨欠損に、1)Sham、2)DBBM、3)CO3Apを埋入し、術4週後に試料を採取した。今後、採取したサンプルについて、マイクロCT解析、組織学的解析を行い、それぞれの群の骨形成能、骨補填材周囲マクロファージの機能を分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに実験が進んでおり、継続して解析を行っていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
In vitro実験では、培養至適条件を検討後、サンプル数を増やし、データ解析を行う予定である。In vivo実験では採取したサンプルについて、マイクロCT解析、組織学的解析を行い、骨形成能、骨補填材周囲マクロファージの機能を分析する予定である。その後、研究結果をまとめ、成果を学術集会等で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度使用額は概ね計画通りであったが、生じた次年度使用額はデータ解析用の消耗品等の追加購入に使用する予定である。
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