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2021 年度 実施状況報告書

プリン作動性シグナルを介した新たな骨リモデリング促進機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K17152
研究機関東北大学

研究代表者

宍戸 香  東北大学, 大学病院, 医員 (60894053)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード歯根膜 / プリン作動性シグナル
研究実績の概要

マウスにおける矯正学的歯の移動に対するadenosine triphosphate (ATP) およびアデノシンなどのプリン作動性シグナルの歯の移動への作用を評価するため、マウス歯根膜細胞の採取および培養法の検討を行った。
実験的歯の移動マウスモデルは種々の方法があり、さまざまな研究において用いられているが、マウス歯根膜細胞を用いてのin vitro実験による解析の報告は少ない。プリン作動性シグナルをターゲットとしている本研究においては、歯の移動を想定した機械的刺激によるATPおよびアデノシンの産生・分解の挙動の検討のため、マウス歯根膜細胞によるin vitro実験が必須となる。
27G針および鉤付きピンセットを用いて、マウスから上顎臼歯を抜去、PBSで洗浄し、10%FCS添加αMEM培地上で培養した。(37℃, 5%CO2) 抜去歯培養の際、コラーゲンゲルのcellmatrix I-Pを用いてαMEM培地をシャーレ底面に1層ゲル化させ、抜去歯を固定した。2週間程培養の後、抜去歯歯根周囲に線維芽細胞様細胞の増殖を認めた。継代培養では、抜去歯を除去し、0.02%コラゲナーゼ処理にてコラーゲンゲル溶解後、回収および遠心分離し、10%FCS添加αMEM培にて培養した。継代後の増殖はさらに2-3週間ほどの期間を要している。増殖量および速度は採取量に依存するため、マウスはddYを用い、1度の採取数を増やして、効率的な歯根膜細胞培養プロトコールを検討している。
マウス歯根膜細胞の培養法確立により、agonistおよびantagonistによる解析や、他のシグナル経路の検討も行うことができ、本研究後の解析にも大変有用となる。
また、定常状態および実験的歯の移動下それぞれにおけるプリン作動性シグナル関連分子の空間的発現の解析のため、マウス歯周組織の組織切片を作製し、解析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス歯根膜細胞の培養において、必要量の細胞数を得るのに多数のマウスおよび長期の培養期間を要しており、採取時プロトコールの検討を行っている状況であるため。

今後の研究の推進方策

in vitro実験では、得られたマウス歯根膜細胞を用いて、定常状態下もしくは伸展力および圧縮力の機械的刺激下でのプリン作動性シグナルの挙動の検討として、培養上清中の細胞外ATPおよびアデノシン濃度の計測、歯根膜細胞におけるATP分解酵素発現およびATPの受容体であるP2プリン受容体やアデノシン受容体発現の変化を解析する。
また、in vivo実験でも免疫組織学的解析により、これらのプリン作動性シグナル関連分子発現の変化を検討する。

次年度使用額が生じた理由

マウス歯根膜細胞培養プロトコールの確立に時間を要しており、歯根膜細胞を用いたin vitro実験の開始に遅れが出ているためであり、マウス数を増加させての培養の検討により採取および培養のプロトコールが確立の後は、当初より計画していた機械的刺激下のプリン作動性シグナルの解析を行う計画である。

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公開日: 2022-12-28  

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