咬合異常は顎顔面頭蓋の形態異常による不正と個々の歯の位置異常が相乗して生じる。一方、ゲノム科学の進展により顎顔面形態を特徴づける根幹のゲノム情報が少しずつ明らかになってきた。本研究は、詳細な形態解析を可能とするセファロ(側面・正面)と歯・顎顔面用コーンビームCT画像を有する対象者数について新規の、あるいは機能が明らかにされていない遺伝因子の同定を試みている。その一つの表現型として、切歯管を観察することができた。日本人、韓国人、エジプト人の異なる人種のコーンビームCTを用いて切歯管と上顎中切歯の近接性を分析し、顎顔面形態の差異や、国籍や年齢、性別について統計学的な関連を明らかにした。
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