研究課題/領域番号 |
21K17172
|
研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
趙 建シン 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (60880086)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
キーワード | 歯科矯正用アンカースクリュー / アンカースクリュー / 歯科矯正学 / 安定性 / 細胞老化 |
研究実績の概要 |
歯科矯正用アンカースクリューの脱落が治療中にしばしば発生するが、そのメカニズム解明や制御方法の開発は未だ完全にされていない。骨吸収とストレス誘導性細胞老化との強い関連性を示し、具体的なメカニズムの解明には遺伝子レベルなどで更なる研究が必要だと考える。一方、多様なストレス(機械力、酸化ストレス、糖化ストレス等)により誘導される老化細胞は局所の微小環境の変化を誘導し、細胞や組織の機能不全に関わることが知られている。予備実験の遂行により、局所ストレスにより誘導される老化細胞をスクリュー周囲組織中において確認できたので局所に骨吸収の発生およびスクリューの安定性低下との関連性を推察した。続いて本研究では、アンカースクリューの植立部における老化細胞の出現挙動や機序解明を試みる。更に、老化細胞除去薬を用いて老化細胞の減少を予備的に試みることで、スクリューの脱落を軽減させ、矯正治療方法の改良につながる基盤知見の構築を目的とする。 支持組織機能不全と骨の喪失を特徴とするアンカースクリュー安定性低下は、口腔衛生の維持不良により局所プラークの沈着がリスクファクターと認識されているが、組織病理的の始動メカニズムが確定されていない。特に、骨吸収などの局所機能不全の重篤度はプラークの沈着量の変化に一致していないため、局所の免疫反応などを考慮し、関連研究が着目されているが、老化細胞の影響が今まで未知が多い現状であるため、それについての研究に必要性が十分であり、先駆的に考える。本年度は、口蓋部におけるスクリューを埋入した動物実験モデルのより安定した手順の確立を実現した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りにスクリューを埋入した動物実験モデルのより安定した手順の確立が認められるため。
|
今後の研究の推進方策 |
予備的検討を進めた結果、研究計画の変更を必要としないため、申請時の計画に則って実験を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度、動物実験モデルの試行錯誤を行い、所定の時間に大量な実験結果を獲得した。それに伴い、データ保存、解析に使用する高性能パソコンの必要性が出てきたが、現有のパソコンは経年により性能劣化のため、買い替えによる設備更新が必要であったので前倒し申請をした。しかし、高性能パソコンの実質購入金額が価格変動のため安くなり、本年度助成金の一部が次年度使用となった。次年度は、消耗品中心に使用する予定である。
|