研究実績の概要 |
令和3年度はビーグル犬に対し、歯科矯正アンカースクリュー植立の際の安定性の評価を行った。チタン合金製歯科矯正用アンカースクリューを、口蓋部位に植立し、安定性の評価を行った。加えて歯科矯正アンカースクリューを植立したビーグル犬の血中含有元素を計測し、生体毒素の評価を行い安全性の確認を行った。以上より歯科矯正用アンカースクリューはビーグル犬顎骨内において高い安定性と安全性を示したことが明らかになった。 令和4年は前年度に続きビーグル犬顎骨内での安定性の評価を行った。 顎骨に実際に臨床で用いられている歯科矯正用インプラントを埋入し、埋入・撤去時のトルク値の測定及び動揺度の経時的変化について評価を行った。ビーグル犬顎骨内に植立した歯科矯正用アンカースクリューに荷重を行い、安定性の確認を行った。以上の実験内容から、歯科矯正用インプラントがビーグル犬においても問題なく使用が可能であることを明らかにした。 令和5年度はスクリューの脱落率についての評価をX線写真を用いて行い、ビーグル犬の植立においてもヒトと同様にスクリューの脱落率と隣在歯歯根との近接がスクリューの脱落に影響することが明らかとなった。現在上下顎顎骨に対して歯科矯正アンカースクリューを植立し、顎整形力を付与を行い、データの収集を行っている状況である。 研究全体を通した成果報告としては、2022年度にヒトにおける歯科矯正用アンカースクリューを用いた矯正的歯の移動促進効果の有効性と安全性について、論文投稿を行い(Mayama et al., 2022)、矯正的歯の移動促進効果、歯科矯正用アンカースクリューが絶対的固定源として有用であること、ヒトでの安全性についても明らかにした。
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