研究課題
歯周組織構成細胞の炎症性サイトカイン添加時における天然植物由来抽出物の影響の解明を行うため、歯周組織を構成する細胞に対して、インターロイキン1β (以下; IL-1β) の炎症性サイトカインの添加を行い、炎症を惹起させた後、各天然植物抽出成分を添加し、IL-1β、および腫瘍壊死因子 (以下; TNF-α) の発現について、遺伝子発現の解析を実施した ヒトセメント芽細胞およびヒト歯根膜細胞を用いた11種類の天然植物由来成分エキス候補のスクリーニング検査結果より、研究打ち合わせを行い、協議を行い、5種類の天然植物由来抽出物の中から、まず、4、5について、詳細に検討を行った。天然植物由来抽出物4添加が、ヒトセメント芽細胞および歯根膜細胞の1L-1βおよびTNF-α遺伝子発現に及ぼす影響の結果、ヒトセメント芽細胞において、IL-1β添加群は、非添加群と比較して、IL-1β遺伝子発現の有意な亢進が認められた。IL-1β添加によって亢進されたIL-1β遺伝子発現は、天然植物由来抽出物4を1 μg/mlおよび10 μg/ml添加することによって、有意な抑制が認められた 。一方、IL-1β添加によって亢進されたTNF-α遺伝子発現は、天然植物由来抽出物4を1 μg/mlおよび10 μg/ml添加することによって、有意な抑制することが示された 。歯根膜細胞における天然植物由来抽出物4の抗炎症作用に及ぼす結果について、IL-1β添加群は、非添加群と比較してIL-1β遺伝子発現の有意な亢進が認められた。IL-1β添加によって亢進されたIL-1β遺伝子発現は、天然植物由来抽出物4を1 μg/mlおよび10 μg/ml添加により、有意な抑制を示した 。そして、天然植物由来抽出物4 1 μg/ml添加することによって、TNF-α遺伝子発現の有意な抑制が認められた 。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Dental Sciences
巻: 17 ページ: 162-169
10.1016/j.jds.2021.05.009