研究課題
乳歯より単離培養した間葉系幹細胞(MSC)の培養上清から抽出したエクソソームをSHED-Exo、永久歯より単離したMSCの培養上清から単離したエクソソームをDPSC-Exoとし、実験に用いた。原子間力顕微鏡での観察により粒子径は50-100 nmであった。骨髄由来間葉系幹細胞(BMSC)にSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加すると、エクソソームを添加することにより、有意に細胞数の増加が認められた。また、骨分化誘導したBMSCにSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加し、アリザリンレッド染色により定量評価を行った。エクソソームの添加により、有意な骨分化が認められた。また、培養したBMSCにSHED-ExoおよびDPSC-Exoを添加したところ、エクソソームの添加により、有意なALPの遺伝子発現の増加が認められた。また、エクソソームに内包されるmiRNAについて調査したところ、miR1474AやmiR326といった制御遺伝子のほか、mir448やmiR451といった血管平滑筋細胞の遊走制御を行うmiRNAが検出された。また現在、SHED-ExoとDPSC-Exoがヒトセメント芽細胞(HCEM)へ及ぼす影響についても調査を進めているところである。上記研究内容について、第61回広島県歯科医学会・第106回広島大学歯学会例会にてポスター発表を行った。
3: やや遅れている
骨髄由来間葉系幹細胞に加えヒトセメント芽細胞を用いて、実験を継続して行っている。細胞のレスポンスが悪く、予想される結果が得られていない。追加での研究成果発表にはもう少し時間を要すると考えられる。
ヒトセメント芽細胞を用いた検討を継続して行っている。炎症マーカー、骨リモデリングマーカーについての遺伝子およびタンパクの解析を行う。また、エクソソームを動物に移植した実験も行う予定である
昨年は研究成果について、発表する機会に恵まれた。現在、骨髄由来間葉系幹細胞に加えヒトセメント芽細胞を用いて、実験を継続して行っている。研究成果発表のためにもう少し時間を要すると考えられる。追加での研究実行のために残額が生じた。PCRやELISAのための追加での試薬の購入や、動物実験のための準備も必要であり、次年度使用とした。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件)
Cells
巻: 11 ページ: 1914~1914
10.3390/cells11121914