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2023 年度 実施状況報告書

歯根未完成歯における歯根誘導を目的とした低出力超音波パルス照射治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17193
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

大谷 茉衣子  神奈川歯科大学, 歯学部, 助教 (20784797)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード歯根未完成歯 / 幼弱永久歯 / 歯根閉鎖 / アペキシフィケーション / 低出力超音波パルス
研究実績の概要

小児歯科分野における臨床において、幼弱永久歯(根未完成歯)の齲蝕や中心結節の破折、外傷により引き起こされる歯髄病変は臨床で頻繁に遭遇するが、歯根を完成(根尖閉鎖)させる確実な治療法はない。本研究の目的は、この臨床上の課題を解決するため、歯髄が感染し炎症が歯根部まで達しているラットの歯根未完成歯に対して、正常に近い状態に歯根を完成させる新しい治療方法の開発を試みることである。
治癒過程・治癒段階の実験動物モデルの根尖部より組織を採取した後、protein arrayにて500種のタンパク発現を評価した。硬組織の誘導に関与することがよく知られたSmad3やERα、ILK、M2Mφを誘導するIL-4が増加した。一方炎症性サイトカインであるTNFのレセプターTNF-R1は減少した。
CD68/CD163、VEGF、CD34について処置1週間、2週間で免疫染色を行い比較した。VEGFとCD34の免疫染色の結果から、処置2週間後では血管新生が促進していた。M1およびM2マクロファージの細胞表面マーカーであるCD68とCD163を用いた免疫染色において、処置2週間でマクロファージのM2偏性を示すことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ラットを用いた歯根未完成歯の歯髄感染実験動物モデルの作製とそのモデルラットから採取した根尖部の治癒形態を評価した。治癒に関連する可能性が高い因子を特定することはできた。特定に時間を要し、LIPUS刺激に関する観察がまだ十分ではない。

今後の研究の推進方策

本研究は非侵襲性的に骨折の治癒過程を促進させる低出力超音波パルス照射による刺激を併用することで、短期間で疼痛も抑制し、患児の負担を軽減できる画期的な治療方法の確立を目標とするものである。実験動物にLIPUSを作用させ、治癒に与える影響を組織学的に評価していく。

次年度使用額が生じた理由

本研究では、ラットの根未完成歯に人為的に感染を起こさせ歯髄や歯根部周辺組織に炎症
を起こした実験モデルを作製した。今後はLIPUS照射を行う個体とLIPUS照射を行わない個体について、実験を行う。

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公開日: 2024-12-25  

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