申請者は、「胎生期に左右の口蓋突起が癒合し、口蓋が一旦形成された後に、癒合部が離開して口蓋裂が発症する」という、従来の概念とは異なった口蓋裂発症機序について研究しており、TCDD投与群の口腔粘膜の基底膜の断裂を認めた部位では、E-cadherinの消失を認めたことから、一度癒合した口蓋部における基底膜の破断と上皮組織の異常増殖や細胞間接着の低下と間葉系細胞の増殖阻害が複雑に影響し、上皮間葉転換の異常を生じて口蓋裂を発症する可能性があることを報告した(Sakuma: Int J Mol Scu. 23(4):2069, 2022)。
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