初年度、新型コロナウイルスの影響で、ASD者の来院が激減し、対象者の決定が難航した。そこで、知的能力障害者を広く対象とし、まずは健常者と知的能力障害者の口腔内細菌叢に違いがあるかを検討し、知的能力障害者の口腔内細菌叢の多様性は、健常者と比較して有意に低いことが明らかになった。上記の成果は、日本障害者歯科学会・国際障害者歯科学会にて発表後、英語論文としてまとめた。次年度以降は、 ASD者16名と同居する兄弟について、唾液、歯垢、便を採取し、細菌叢の違いについてゲノム解析を行い、唾液と歯垢では、自閉スペクトラム症群は健常者と比較して、有意に多様性が高く、便においては差がないことを明らかにした。
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