| 研究課題/領域番号 |
21K17209
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
眞嶋 みなみ 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (50876638)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 口腔癌 / 放射線治療 / 口腔乾燥症 / 小唾液腺 |
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| 研究実績の概要 |
小唾液腺分泌量:測定法の開発および測定
パッド法:口唇腺以外の小唾液腺にも適用でき、かつ口腔粘膜炎が生じる時期にも使用可能な口腔内パッド(医療用ポリエチレン合成繊維配合セルロース, セキムラ)を用いた。健常若年者20名を被験者として、口唇、 口蓋、舌、頬の粘膜を乾燥後、1×1 cmのパッドを2分間接触させ、測定前後での重量を分析用電子天秤にて計測し、口腔粘膜1 cm2あたりの唾液分泌量を求めた。
画像評価法:口腔内パッド自体は粘膜への刺激を伴う材質ではないものの、口腔粘膜炎の増悪時に直接パッドを接触できない場合を想定し、健常若年者20名を被験者として対象部位の粘膜を乾燥後、高解像度の口腔内デジタルカメラにて2分後に撮影した。小唾液腺から唾液は粘膜表面に真の半球状に分泌されるため、得られた画像に写る各半球の直径を画像解析ソフトで計測することで、口腔粘膜1 cm2あたりの分泌量を間接的に測定した。両評価法とも、唾液分泌量の日内変動を考慮し、測定は午前9-12時に行い、1時間前から食事、歯磨き、うがいを禁止した。測定は別日でそれぞれ5回ずつ行い、再現性を検討した。両方法から算出された口腔粘膜1 cm2あたりの小唾液線分泌量の関連を求め、両者の妥当性を確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では被験者の小唾液腺分泌量の測定に続いて、口腔癌の放射線治療患者の小唾液腺分泌量を経時的に測定する予定であったが、コロナ禍のため被験者を集めるのが困難で、被験者データからパッド法と画像評価法の妥当性を確認するステップまでしか進捗しなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
①小唾液腺分泌量の測定：被験者データにより確立した測定法を用いて、口腔癌の放射線治療患者の小唾液腺分泌量を経時的に測定する。
②総唾液分泌量の測定：小唾液腺分泌量との関連性評価の目的で、患者の総唾液分泌量を測定する。安静時総唾液 分泌量は吐唾法にて測定し、Common Terminology Criteria for Adverse Events v5.0を用いて口腔乾燥の程度を評価する。刺激時総唾液分泌量はガムテストを行い、1.0 mL/min以下を異常値とする。また、唾液粘稠度の変化を曳糸性測定器(ネバメーター, 石川鉄工所)にて測定する。その他、口腔粘膜に含まれる水分量を数値化できる口腔水分計(Mucus, ライフ)にて測定する。
③患者アンケート：小唾液腺分泌量および総唾液分泌量との関連性評価の目的で、口腔乾燥感について患者アンケート調査を行う。回答はVisual analog scale法にて患者自身に記入させる。①から③の各項目は、放射線治療患者のルーチンの画像検査タイミングにあわせて経時評価し、SPSSを用いて多変量解析を行い、小唾液腺分泌量・総唾液分泌量および口腔乾燥感との関連性を明らかにする。
④小唾液腺の吸収線量の算出：放射線治療計画アプリ(Xio ver. 4.8, Elekta)にて、CT/MR画像で描出される小唾液腺存在部位 (口唇・口蓋・舌・頬粘膜)の吸収線量を算出する。また、詳細な検討としてCT/MR画像の1 pixelごとの線量計算ソフトを開発する。さらに、照射法間(3次元原体照射と強度変調放射線治療)で小唾液腺の吸収線量を比較し、小唾液腺分泌量および患者の口腔乾燥感の差の有無を経時評価する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため学会参加ができず、旅費を使用できなかった。状況によるが、次年度は学会参加・発表を予定している。
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