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2021 年度 実施状況報告書

障害者歯科への臨床応用を目的とした経口用プロポフォール封入リポソーム製剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K17210
研究機関岡山大学

研究代表者

西岡 由紀子  岡山大学, 大学病院, 医員 (80896530)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2023-03-31
キーワード麻酔薬 / DDS / リポソーム
研究実績の概要

障害者歯科診療において、鎮静や全身麻酔が必要な知的障害者の前投薬として麻酔薬の経口投与が行われることがある。そのひとつとしてミダゾラムが広く使用されており、本研究室ではミダゾラムの効果を高めることを目的に脂質膜から成るリポソームを薬物キャリアとして経口用ミダゾラム封入リポソームを開発した。しかし、ミダゾラムを内服させると麻酔の覚醒が遅くなることから、日帰り麻酔をする場合が多い障害者歯科診療での安全性に問題があった。静脈麻酔薬であるプロポフォールは、効果の作用発現が速く、代謝が速いため調節性が良いが、脂肪製剤を乳化剤としてエマルションの形になっており、このエマルションは消化管内で分解されないため内服しても薬理効果が期待できない。そこで、プロポフォールをリポソームに封入することで経口投与を可能にすることができると考えられた。プロポフォールはその特徴から速やかに鎮静状態となり、かつ麻酔からの速やかな覚醒を期待できることから、開発したプロポフォール封入リポソームの臨床応用を目指し、術後合併症のない安全な日帰り麻酔を確立させることを目標とした。今年度は、クロロホルムとメタノールの混合溶媒で希釈した脂質およびプロポフォールを混和した溶液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、脂質フィルムを作製した。脂質フィルムを真空ポンプにかけ乾燥させ、ボルテクスィング法でプロポフォール封入リポソームを作製した。プロポフォール封入リポソームを遠心分離して上清と沈殿物に分け、高速液体クロマトグラフィーを用いて各分離液中のプロポフォール濃度を測定し、遠心分離前の全プロポフォール量に対する遠心分離後の沈殿物中のプロポフォール量の割合から封入率を算出した。その結果、プロポフォール封入リポソームの封入率は概ね20~40%の封入率が確認できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、クロロホルムとメタノールの混合溶媒で希釈した脂質およびプロポフォールを混和した溶液をロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去し、脂質フィルムを作製した。脂質フィルムを真空ポンプにかけ乾燥させ、ボルテクスィング法でプロポフォール封入リポソームを作製した。高速液体クロマトグラフィーを用いてプロポフォールの標準曲線を作製し、プロポフォール封入リポソームに含まれているプロポフォール量の確認を行った。また、プロポフォール封入リポソームを遠心分離して上清と沈殿物に分け、高速液体クロマトグラフィーを用いて各分離液中のプロポフォール濃度を測定し、遠心分離前の全プロポフォール量に対する遠心分離後の沈殿物中のプロポフォール量の割合から封入率を算出した。その結果、プロポフォール封入リポソームの封入率は概ね20~40%の封入率が確認できた。

今後の研究の推進方策

プロポフォール原液およびプロポフォール封入リポソームをウサギに投与し、血液を経時的に採血し、前処理した後、高速液体クロマトグラフィーを用いて血中濃度を測定し、プロポフォール原液とプロポフォール封入リポソームを投与した際の血中濃度を比較し、生物学的利用能を評価する。また、サンプル密閉式超音波装置を用いて超音波処理を行い、動的光散乱システムを用いて粒子径およびゼータ電位を測定し、プロポフォール封入リポソームの性質についても評価する。

次年度使用額が生じた理由

概ね当初の計画通りに進行したが想定より試薬等を安価に抑えることができたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は動物実験や研究消耗品に使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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