研究課題/領域番号 |
21K17214
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
大戸 敬之 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (60754299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 地域歯科医療 / 離島・僻地 / 地域志向性 / 地域歯科医療教育 / 歯科医学教育学 |
研究実績の概要 |
2021年度は、歯学生が地域歯科医療から得る学びの実態の解明を目的に研究を実施を行った。歯学生、特に今回は現地での実習を行っていない群を中心にインタビュー調査を実施した。それを基に、Steps for Coding and Theorization(以下SCAT)を用いて質的に分析を行った。SCATの結果から、離島の歯科医師となる上での障壁的因子と促進的因子、そして両者にまたがる因子の大きく3つが現れた。さらに、これまでの調査では想定されていなかった診療期間の希望や、地域での良さの想定が確認された。 一方で、CIS日本語版尺度を応用することでの質問紙調査も行う予定であったが、COVID-19の想定以上の広まりに伴い、オンラインでの授業開催も多くなったため、大規模な調査が困難となった。そのため、実習を行う側である離島の歯科医師のインタビューを実施することにより、学習者側と教育者側の両方の側面から両方の側面からの調査を実施することで、より精度の高い学びの実態を明らかにすることとした。 Braun&Clarkeによる主題分析法を実施し、離島の歯科医師が歯学生にもとめている島での役割付与やつながりの構築、地域特有に場を通じてのコミュニケーションなどの地域特有の事項について明らかとなった。 今後も学習者の学びの部分および地域という学習の場の両面から多角的な分析を実施し、今後日本歯科医学教育学会を始めとする各種学会で発表を行い、さらに様々な意見を頂いた上で、地域志向性の涵養に影響する因子の解明や現地での実習の受講経験の有無による差の検討につなげていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度はコロナ禍の影響から学生を対象としたデータの採取にやや遅れが生じている。質問紙調査の予定であったが、自由参加のオンラインアンケートのような形式が取りにくい題材であるため、想定以上のCOVID-19の影響によりこの点については大きく問題となった。一方で、影響因子に関する部分について先行して進めることは可能であったため、この点については大きく進捗しており、研究全体としてはやや遅れている状態となっている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度においてもコロナ禍の影響は続いていると考えられるため、まずは地域志向性の涵養に影響する因子の解明を中心に研究を進めていきたいと考える。その中で同意取得を行うことができている研究対象者を中心に、フォローアップインタビューも含めてデータの蓄積を行っていく。
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