本研究は、360度カメラを用いて撮影した摂食嚥下機能評価の様子の動画の中に、頸部聴診音を音声データとして同期させ、VR機器を用いて学生に供覧することで実際の臨床現場を体験実習させる教育システムの構築を目的とした。実際に当クリニックにて病院実習を行う学生を対象として、VR実習と歯科訪問診療実習の双方を行わせたのち、それぞれの実習に自由記載のアンケート調査を行い、その結果をテキストマイニングにて検討したところ、歯科訪問診療実習後に最も多く抽出された単語は「患者さん」VR実習では「音」だった。今回の結果より、VR実習は、より術者に近い体験を得ることができるようになったのではないかと考える。
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