本研究での第一の目的は、①安定型狭心症に対して冠動脈カテーテルインターベンション(以後PCI)を実施した患者でISCHEMIA試験同様のQoL改善が得られるか を国内において検証することである。第二の目的は、②質問表以外の方法によるQoL向上予測因子を探索することである。質問表は、患者の生活状況をよく反映 できる長所がある反面、記入事項が多く、時間的制約が強い外来診療で繰り返し評価することは容易ではない。質問表で認められたQoL向上と相関の強く、かつ 簡易的に収集可能なバイオマーカーの探索が必要とされている。第三の目的は、③ISCHEMIA試験で除外基準に設定されていた、心不全を伴う冠動脈疾患患者(虚 血性心筋症患者)でのQoLおよび長期予後を検証することである。超高齢化を迎えた我が国では心不全パンデミックが問題となっているが、心不全の代表的な原 因として冠動脈疾患が挙げられる。2021年度、2022年度は、本研究の土台となるJapan Cardiovascular Database-Keio interhospital Cardivascular Study 以 後JCDKiCSレジストリー:UMIN000004736のPCI患者データ入力を実施した。
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