研究課題/領域番号 |
21K17244
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
笠井 大 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70815076)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | EBM教育 / 医学教育 / 医学生 / 臨床研修医 |
研究実績の概要 |
本研究では医学生,研修医,指導医,教員に対するEBM実践とEBM教育の現状調査とともに,多年次にわたるEBM教育プログラムの開発と実施,効果検証を行い,より効果的なEBM教育の拡充を図ることを目的としている.EBM教育の拡充は,EBMの適切な実践に基いた質の高い医療の提供につながる. 研究初年度である2021度は医学生,研修医に対するEBM実践の状況について調査を行った.また,教育実践としては臨床実習中の医学生に対してはEBM実践の具体的な方法についてのセミナーを定期的に実施し,このセミナーにより臨床実習において5ステップ(疑問の定式化,情報収集,情報の批判的吟味,情報の患者への適応,フィードバック)を活用できるかについてデータを収集した.さらに,研修医を対象として,研修医自身が実際の臨床研修の中で感じた臨床疑問をテーマにEBMの実践・検討するEBMワークショップを新たに開発し,2022年2月,3月に実施した.これらの結果については2022年度に解析を行い,セミナー及びワークショップの改善とともに新たな教育手法の開発に利用していく. 加えて,EBMの5ステップ(疑問の定式化,情報収集,情報の批判的吟味,情報の患者への適応,フィードバック)に応じた目標設定およびそれに基づく評価基準を作成し,EBM教育実施時に学習者の評価に活用した. 加えて,新型コロナウィルス感染症の流行による対面での教育活動の制限に対応するため,e-Learningの併用した反転授業形式のワークショップの導入準備も進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の流行による医学生の対面実習の中止やオンライン学習への切り替えがあり,データ収集が不十分な期間があった.また,第5波,第6波への新型コロナウィルス感染症診療に対する注力のため,セミナーやワークショップの準備,実施が遅れてしまい,研究の進捗に影響があった.
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今後の研究の推進方策 |
医学生,研修医に対する調査及び教育実践を継続していきながら,2021年度の実施したセミナー,ワークショップについてデータ解析および検証を行い,結果について公表していく.EBMについての評価基準が作成されたこと指導内容がより明確化したため,上記結果も踏まえて現行の教育手法の改善や新たな教育プログラムの開発をさらに推進していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度のデータ収集が遅延したため,データの解析が2022年度以降となった.そのため,統計ソフトは2022年度に購入することとなった.また,当初の予定通り2022年度も情報収集のため国内外の学会に参加予定があり,出張費を計上する.
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