| 研究課題/領域番号 |
21K17248
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| 研究機関 | 京都大学 |
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研究代表者 |
佐々木 典子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (30736632)
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| 研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 実装の科学 / 診療ガイドライン / 理論的枠組み / 活用ツール |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、世界レベルで散在して活用しにくい実装科学の膨大な知見を日本の医療現場で応用できるよう、診療ガイドラインの推奨を実践するために有用な情報基盤を構築することを目的としている。具体的には、世界における理論的枠組みやツール等の情報の整備状況を評価する。さらに、その知見をもとに日本に効果的に適用できる理論・ツールを開発する。また、関係者が使用しやすいポータルサイトを整備することを予定している。
2021年度よりGuideline International Network（GIN）会員、実装グループメンバーとして各種最新情報の収集を行った。世界的にはCOVID-19感染症により診療ガイドライン推奨情報のタイムリーな更新と検索のニーズがある中、MAGICAppなどのEvidence ecosystemを用いたLiving guideline作成の動きが加速し、メリットと限界に関する議論が行われた。このような知見の一部を日本医療機能評価機構マインズでの教育資料にも反映した。
また、海外政府関連医療サービス機関（SIGN、NICE、CIHI、NHMRC、世界保健機関等）や実装の科学に関連する欧米の学会等が既に公開している基礎理論・方法論や活用ツールを収集・整理し、実装のための情報基盤としてポータルサイト（パイロット版）を構築し、公開した。今後は完成版に向けて内容の充実を図る。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年度はGIN会員活動・学会総会参加により、また海外政府関連医療サービス機関（SIGN、NICE、世界保健機関等）や実装の科学関連学会等で公開されている基礎理論・方法論や活用ツールを収集・整理した。2022年度は、それらをもとにポータルサイト構築（パイロット版）を構築し、公開した。さらに医療における高齢者の医療における経済的保護に係わる調査研究において、個人・集団の行動変容に注目して政策実装を検討するBehaviour Change Wheelフレームワークの重要性を明らかにした。同年のGIN学会総会で発表を行い、関連した論文投稿を行った。診療ガイドライン関係者の教育に関して、McMaster大学INGUIDE（e-learning）により最新の知見を得た。国内の学会参加を通じて、国内診療ガイドライン作成・更新・活用状況について現状把握を行った。
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| 今後の研究の推進方策 |
2023年度は各種資料の日本の文脈での応用可能性の検討を中心に、国内向け活用基盤としてのポータルサイト（完成版）を構築する。同サイトの維持・発展に向けてIT専門家と運用につき検討する。また、日本における情報基盤構築の一環として、実装フレームワークのひとつであるBehaviour Change Wheelの展開方法につき検討する。さらに、実装のための学際チームのあり方、運用方法（構成分野/規模/会合の持ち方、国内外の連携等）、成功事例、教育方法等のレビューを発展させ、診療ガイドラインを活用しやすい体制を多面的・統合的に提案していく。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で国外出張をオンラインとしたこと、また、論文が未だ受理されないため論文投稿料が発生せず、次年度使用額が生じる形となった。また、諸費目のアンバランスが生じており、今後調整を図る計画である。
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